【感想】書籍「アイデアのつくりかた」を読んでみた。
最近悩んでいることの一つに、「デザインの案出しが遅い」ことがあります。
その悩みについて、デザイナーの先輩に相談したところ「アイデアのつくり方」という本をオススメしてもらいました。
書籍「アイデアのつくり方」とは
「アイデアのつくり方(ジェームス・W・ヤング著、今井茂雄訳、竹内均解説)」は、日本では1988年の初版から私が購入した中古2010年版まで60刷ほど刷られています。現地では1965年から刊行されているので、とても息が長い本でした。
実はこの本、新人の頃に買って一度読んだはずなのですが、読みっぱなしにしたので内容の細かなところはほとんど思い出すことができませんでした。ページを数ページめくると、かろうじてアイデアは掛け合わせだということだけが思い出せました。
よく本屋で売っているアイデアの作り方系の本は、種類が多く本当に効果があるのかわからず手を出しづらかったのですが、こんなに薄い上に色々な人やお店からオススメされるので購入をしていました。
ハードカバーで少し厚みは増していますが、ページ数は全部で100ページ弱。解説を省いた、作者が書いた部分(翻訳部分)だけを数えると、60ページほどしかありません。
初めて手に持った時は薄さに驚きました。
帯には「60分で読めるけれど一生あなたを離さない本」と書かれていて、1ページ1分かけて読んでも60分で読み切れてしまいます。
新しい装丁の本も何冊か出ているようで、新デザインには帯の「60分で読めるけれど一生あなたを離さない本」が本自体に印刷されていました。
まえがきやあとがき・解説を省いた目次はこちら
- 経験による公式
- パレートの学説
- 心を訓練すること
- *既存の要素を組み合わせること
- *アイデアは新しい組み合わせである
- 心の消化器官
- つねにそれを考えていること
- 最後の段階
- 二、三の追記
この一覧の「*」がついているところは帯にも書かれている通りこの本の本質になります。といっても、無駄な部分がほぼないので、この目次全てが言いたいこと、大切なことなのだと思います。
アイデアは既存のもの同士の掛け合わせ
アイデアのつくり方の内容は、
新人時代に読んだ際は、ふ〜ん。へ〜。と知識として読んだ(つもりでいた)のですが、仕事やアイデアを出す経験が少なく、当時は定着はしませんでした。それに、こう言った本の読み方がよくわからず、読んだら読みっぱなしの状態でした。
何年かして、実際にアイデアを出したり、日頃の情報収集やインプットをする機会が増えると、本の言っていることがわかるようになってきました。
薄い本の中に必要なことだけが書かれているので、読んでとりあえず書かれていることを実践するだけで良いと思います。
アイデアをつくるための5ステップ
デザインに当てはめるとこうかな、と思った内容が…
- 特殊資料:アイデアを考えたいものに関しての情報収集。一般資料:日常的に書籍、サイト、デザイン情報、デザインと関係ない情報、街中、ニュースその他あらゆる外からの情報を収集。
- 資料を分類、手を動かしてみる、さらに調べる、手を加えるなど
- 別の作業、気分転換、日常生活、他のものを見てみる、街を出歩いてみる、人と話すなど
- 発見(レイアウト段階)
- デザインを詰めていく、クオリティアップ、ディレクター・依頼者との相談
こんな感じでしょうか。
アイデアのつくり方まとめ
書かれている時代が時代だけに、アナログチックな情報収集・整理の方法がいくつかあるのですが、現代でも通用する方法ですしデジタルでもできる方法だとは思います。
カードを使った方法などは、学生時代民俗学の先生がやっていた方法だったということを思い出し、懐かしい気持ちになりました。
アイデアのつくり方の本の中では、他にも具体的な情報整理の方法だとか、例を交えながらわかりやすくこの5ステップを説明しています。
1回読んで、へ〜そうなんだ〜で終わってしまったのですが、何回かこの本を片手に、実践をして自分のやり方を作り出していきたいと思える一冊でした。